学校に無理な要求や理不尽な苦情を寄せる保護者に適切に応じようと、大阪市教育委員会は、教職員マニュアルをまとめた。実際にあった“要望”と有効な手立てを紹介し、小中学429校の全教員に配る。地域のつながりが薄れ、不満のはけ口が直接教師に向くようになったとみる専門家も多く、「日ごろから対話を積み、信頼を深める相互理解が大切」という声も出ている。
大阪市教委によると、政令市で、こうしたマニュアルを作成したのは初めてという。
同市教委と市教育センターに寄せられた保護者からの苦情や問い合わせは約4000件(2005年度)。「ここ数年、少しずつ増える傾向にある」といい、学校に直接届くものは1校当たり1日2件程度になるという。
「部活動の練習着は学校で洗ってほしい」。苦情の中には「対応に苦慮し、授業など本来業務に支障が出るような過剰な要望も目立ち始めた」(市教委)という。
要求が通らないと、「登校させない」と訴える例を想定し、対応順に沿ったフローチャートを作成。児童相談所やPTAなどとの連携や、訴訟に発展しそうな場合に備えた手順も盛り込んだ。実際に起こった12事例と、解決策も記載した。
策定作業に協力した小野田正利大阪大大学院教授は冊子の中で「生活への不安や悩みから保護者が無理難題を突き付けるケースもある。電話で済まそうとせず、家庭訪問による対話などをして信頼を得ることが欠かせない」と指摘している。